「自然素材の家」
この家は在来工法の木造新築住宅である。設計の中で「自然素材をいかに使うか」ということをテーマとしたいえである。
自然素材の材料を自在に使いこなすことは難しいものであるが、15年程前の私は自然材料の専門用語がほとんど分らず、納まりを聞かれても答えられず、左官仕上の種類や価格もさっぱり分らなかった。木も土もこの国では長く時間をかけて大工や左官がその使い方を研究し、完成してきた材料である。自然素材を知る為に私共は聞いて、見て、触って覚えるしかない。現場で使用する材料は必ず自分の目で見て確認することが大切である。限られた予算の中でいかに材料の良さを生かすかは、経験を積み重ねるしか方法はないようである。
幸いこの家の木工事は以前も一緒に仕事をしてくれた名人クラスの大工が仕事を請けてくれたので、木工事に関して今回も良い勉強をさせて頂いた。